ピクトンまでの船旅は何事も無く過ぎ、
再び陸に上がった我々は、テントが張れるというバックパッカーズ、
"ジャグラーズレスト"に向かう。
この"ジャグラーズレスト"、
BPP(BBHが利用者のアンケートを元に加盟バックパッカーズに与えている評価ポイント)が、
90%を超えている上、ワイヤレスインターネットが使えるというので期待していた。
いやー、このBPPの90%超え伊達じゃありません。
すんごい居心地がいいんです。
出発予定日の朝の天気が悪かったせいもあり、
4泊もしてしまいました(笑)
ただ、ここの庭で、サンドフライに初遭遇。
初め、小バエが足にたかってるなぁ、うっとうしいな、
なんて見てたらチクッと咬まれて、激しい痒みが。
左手の薬指は、いつ咬まれたのか気付かなかったが、
咬まれたらしくパンパンに腫れ上がってしまった。
しかし、このサンドフライ、言われているほど鬱陶しいのは最初だけで、
慣れたらさほどのものでもない。
基本肌を露出しなければ、ストッキングほどの薄手の素材でも咬むことができなくなるし、
なぜか、あまり顔や首の周辺には寄ってこない。
あまり効かないと聞いていた、日本製のディート5~6%の虫除けだが、
試してみるとそこそこ効果はあった。
そして、5日目、漸くピクトンを出発。
とはいえ、初日でどこまで進めるかわからないし、
BPP90%超バックパッカーズをすっかり気に入っていた僕らは、
ちょっと寄り道になってしまうが、
40㎞程先のBPP90%超バックパッカーズに泊まろうか、
なんてことも話していた。
とりあえず、隣町のブレニムに着いてから考えようということになって、
ペダルを踏む。
追い風もあり、比較的楽にブレニムに到着。
マックで昼食を摂りながら、先を目指すことを決定。
目標は、ワードの外れにある、ぺダラーズレスト。
そこまでにもう、スーパーはなさそうだったので、
スーパーで軽く食料を買い足す。
街を出ると、ワイン畑が広がる。
ここら一帯は、ニュージーランドで、
ワインの産地として有名なエリアの一つなのである。
さて、この日の懸念、峠超えである。
嬉しいことに追い風は続いているが、
さすがに、というか当然、ヘタレなチャリダーが、
BD-1に乗ったまま登坂できるはずもなく、
降りて自転車を押して上る。
すると、前の追い抜きのための駐車スペースと思しきところに、
一台のトラックが止まった。
期待が頭をかすめる。
「乗る?」
おお!?やった!!
なんて優しいんだ、キーウィ!
ビバ!ニュージーランド。
ブレニムに買出しに行っていたらしいお父さんのトラックの荷台に
BD-1二台と僕らを乗っけてもらい楽々峠超え。
セドンで降ろしてもらい、再び走り始める。
ワードは思って通り、何も無い集落で、
食料を買えそうな所は、
ガソリンスタンドに併設された小さなストアーがあるのみ。
ワードから更に、10㎞程南に行った所に、
ぺダラーズレストがあるのだが、
相方が、そろそろへばってきた。
励ましつつ、国道からペダラーズレストへ向かう脇道の分岐に到着。
更にそこから、1㎞程、山側に入ったところにペダラーズレストはあるのだが、
そこまで到る道が、砂利の未舗装路…。
しかも、激しい横風で、自転車なんかに乗っていられず、押すことに。
どうにかこうにか辿りついたペダラーズレストではあるが、
まあ、当たり前と言うか、こんな辺鄙なところに普通の旅行者が来るわけも無く、
僕ら二人だけ。
しかし、設備自体は、綺麗に管理されていて、気持ちの良い宿である。
こんな風の強い日に、とは言われたが、
雨でもないし、無駄に持っているのも癪なので、
キャンプを選択。
後でこれを後悔するのだが…。
テントを設営した後、
オーナーさんの家の横にある、
自称"小さな店"に食料を買いに行く。
スーパーで卵を買おうと思って忘れてしまっていたので、
卵と、パンも売っているとのことだったので、
それも良さそうなら買おうと思っていた。
お店…と言っていいのだろうか、
は、本当に小さかった。
数えるほどしか食品はおいてなかったし、
オーナーさんが焼いたパンを少し期待していた僕の前に差し出されたパンは、
冷凍庫で凍った市販品のパン。
卵一個 40¢に、
ばら売りしてくれるというのは嬉しいが、
パン一枚 20¢。
ぼったくりではないが、高い。
とはいえ、こんな何も無いエリアで人力移動者が食料を得られるのはありがたい話か。
夕食の後に読んだビジターブックに、
以前通りかかった時に食料が無いので通り過ぎたが、
売っているなら寄れたのに、なんてことも書いてあったなあ。
洗濯機が無料と言うのも、ここの一つの売り。
もちろん、折角なので洗濯するが、
ビュービュー吹きすさぶ強風に、
洗濯物が飛んでいかないか心配しつつ干す。
テントに潜り込んだものの、
うつらうつらしながら深夜になるまで、
どうにも風の音が気になって眠れない。
強風が、木々を大きく揺らし、
その音の後、その風がテントを大きく揺さぶる。
僕は、シュラフの中で、耐風性を上げるための
ロープとペグを打たなかったことを激しく後悔していた。
万事を尽くして、何か起きたのなら諦めも付くが、
旅の始めの方だと言うのに、
不精した末に、ポールでも折れたら、悔やみきれない。
とうとう渋々ながら、テントから這い出し、
ロープを付けたのであった。
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