クライストチャーチから僕らは、
まだ使ったことの無い道である、
アーサーズパスを通ってグレイマウスに向かうことにした。
アーサーズパス周辺は、
クライストチャーチから程近いエリアでもあるため、
そこそこ有名な観光地であり、
クライストチャーチから日帰りで山行を楽しめるところなのだが、
クライストチャーチからでてくるのが遅かったのもあって、
トイレ休憩くらいで、ほとんど素通りした。
グレイマウス以南では買出しができないことを今回は知っていたので、
グレイマウスのスーパーでしっかり買出しをしてから、
フランツジョセフ方面に南下する。
この途中、
日本ではありえない風景に出会える。
この国では、
なぜか知らないが、橋が一車線のところが多い。
たまに二車線あっても狭かったり。
古い橋をそのまま大事に使ってるのかもしれないが、
別に、一車線増やしたところで、
大して建設費は増えないだろうし、
車社会のこの国で、
一車線のままってどうよ?、とは思う。
まあ、交通量が大して無いからいいのかもしれないが。
しかし、ウエストコーストでは、もう一段上、
列車と車が一車線の橋を共有しているのだ。
路面電車ではなく、普通の列車が、だ。
自分は運転していたので、写真を撮ることはできなかったが、
二度目の今回は実際列車が走っているところに出くわした。
(´-`).。oO(ああ、やっぱり走ってるんだな…)
ニュージーランドらしいと言えば、ニュージーランドらしい風景のような気がする。
フランツジョセフのバックパッカーズ着いた僕らは、
山や明日の天気の情報やら、
ハット(山小屋)のチケットを買いにDOCオフィスに向かう。
ハットパスには、アニュアルハットパスというのがあって、
大人は年間$90でバックカントリーハットに泊まり放題、
というのがあるので、買おうかどうか悩んでいたのだが、
職員に、(コップランド・トラックの)ウェルカムフラットハットは、
アニュアルハットパスが使えないよ、と言われやめ、
1泊$15、2泊分のチケットを買った。
三日間の天気が良いのを確認し、宿に戻った。
翌朝、宿で荷物を預かって貰ってから、
コップランド・トラックの入り口へ向かう。
一時間ほどで、コップランド・トラックの入り口に到着。
ゲートを開けて車を入れ、
3分ほどで、駐車スペースに出た。
��ワァァァァァァヽ(´Д`;)ノァァァァァァン!
駐車スペースで、出発準備をしていると、
前情報どおりの無数のサンドフライに囲まれた。
急いで、虫除けを体に振り掛けた。
車の中にも、大量のサンドフライが入り込んでいたが、
とりあえず、どうしようもない・・・。
帰ってきた頃には、たぶん、死んでいるはずだ・・・。
はじめ、ルートの目印を見つけられず、
右往左往したが、相方が見つけてくれたおかげで、
いざ、出発!
山中に入ってしまうと、意外にサンドフライは少なくなる。
それに時速5㎞以上で進むと、サンドフライは追いつけなくなるそうだ。
とはいえ、昼食休憩で、川岸で座っているととサンドフライが寄ってきて、
のんびりという気分ではいられなかった。
暫く進むと、"一人まで"と書かれた吊橋が。
こういった吊橋が何回か現れ、その度相方はびびっていたが、
自分は結構楽しんでいた。
既に何組かハットに到着していた。
一階が、炊事場で、二階が、寝床。
変な虫がいないか気になっていたマットだが、
防水地でできた高跳び用のマットのようで、
自分で、綺麗に拭いてしまえば衛生面は問題無かった。
このハットでは、ちょっと驚きの出会いがあった。
地球の歩き方にも載っていないこのトラックに、
日本人男性がいただけでも驚きだが、
お約束のような会話を交わしていると、
「(日本の)どこから来たの?」
「八王子。」
「!∑(゜∀゜)俺もだよ。どこなの?」
「八王子って言っても、結構広いからねえ。高尾。」
「ええー!?」
「ええー!?」
なんと、最寄り駅が同じと言うご近所さんであった。
まさか、異国の山ん中で、
歩いて行ける距離に住んでいる人間に会うとは思わなかった。
彼の名前は、ナオ。
日本にいる時は、渓流釣りはしていたが、
特に登山をしていたわけではなく、
しかも、このトラックが初トランピングとのこと。
同じトランピング情報サイトで情報を得ていたのもあり、
ぐっと打ち解けていった。
さて、ここに来た第一理由は、なんと言っても、温泉である。
ハットから数分歩くと、
気持ち程度の脱衣所が現れ、
そこで、水着に着替える。
人の入れるような、深さ大きさのものは二つで、
源泉からのお湯の量が多いのか、
奥の方にある方が、深めで湯温もそこそこある、
日本人好みの温泉ではあるが、
藪に近いせいか、時間によっては、
サンドフライが多い。
手前のお湯は、
温めでなかなかの景色を楽しみながら浸かれる。
とは言え、雨が多いことで有名なこの地域のこと、
初日は、その景色を拝むことは出来なかった。
エメラルトグリーンの堆積物があるので、
効能はわからないが、
体に塗って、泥パックみたいなことして、
遊んでみた。
ニュージーランドの野湯には、
脳に寄生して、人を死に至らしめる原虫がいるので、
決して、頭をお湯に浸けてはならない。
しかし、感染例は少ないそうで、過剰に怖がる必要は無い。
ハットに戻り、
暫くするとミィーティングが行われた。
ワーデンが常駐するハットでは、
毎夕ミィーティングが行われる。
主に、ハットでの注意事項を述べるのだが、
他に、この先トラックへ行く者への注意や、
近々の天気予報なんかを教えてくれる。
夕食後、特にすることもないので、
早々に就寝。
こういう時、文庫でもあれば、
なかなか素敵な夜が過ごせそうだが、
生憎そんなものはない。
それと、やっぱり合い部屋である以上、
周りの人間が気になる。
良い山小屋とは聞いていたが、
やっぱり自分はテント派かな。
ナオは、テントを持ってきていたので、
翌日は、近くにある岩屋の下にテントを張っていた。
そっちで張る分には、$5で済む。
翌日は、のんびりハット周辺を散策したり、
温泉に浸かったりして、過ごす。
比較的、サンドフライの少ない昼頃に入りに行ったが、
それでも、とてものんびりと浸かっていられなかった。
景色は楽しめないが、
温泉自体を楽しむなら、夜が良いね。
ウェルカムフラットまでのコップランド・トラックは、
比較的整備されていて、
日本で、少し山をかじったレベルでも来られる場所だと思った。
しかし、だからと言って、
ズブの素人でも行ける、グレートウォークとは比較にならない。
自信が無ければ、それなりの経験のある人との山行を勧める。
コメント
コメントを投稿