ふらフラット、クライストチャーチ



どうにも、こんな大きな荷物を持って、


大きな街の中を走るのは気恥ずかしくて仕方ない。





なら、トレーラーなんか引くなって言われそうだが、


こういう悪乗りが好きなんだから仕方ない(笑)





GPSを睨みつつ、BBHに載っていたテントを張っても良い、バックパッカーズを探す。





そのバックパッカーズは、BBHに掲載されてから日が浅いのか、


ポイントが付いていなかったのが気になったが、


クライストチャーチのような大きな街でテントを張らせてくれるようなところは、


稀有な存在で、そこしかなかった。





『ん…?』





なんか後輪の様子がおかしい。


やけにふらつく。





でも、宿まであと少しなので、


そのまま無視して宿まで向かう。





宿前で、後輪を確かめる。


ホイールはおかしくなっていない。


タイヤを触ってみると、だいぶ空気が抜けていた。





 宿の玄関先の辺りには、人の気配が無かった。


誰かいないか、裏庭までずかずか入っていく。





裏庭に、人が使っているのかわからないが、


フライが半分外れているテントが張ってあった。





どうやらテントは張れそうだが、


セキュリティはないに等しい。





裏手のキッチンと思しきところにも気配が無い。


ノックして暫く待ってみたが、誰もでてくる気配が無かった。





ただバカみたいに、誰か戻ってくるのを待つのもなんなので、


もう一つ近くにある、日本人がよく使っているらしいバックパッカーズに向かうことにした。





BD-1に跨ってみるが、


もう完全に空気が抜けてしまっていた。


しょうがないので、押して行く。





その【K】というバックパッカーズは、


長期宿泊者には、割引があるということなので、


元よりクライストチャーチで長期滞在するつもりではあったため、


一回は話を聞きには行こうと思ってはいた。





【K】は、先ほどのバックパッカーズに比べると遥かにセキュリティがしっかりしていた。


インターホンを通してからでないと、表の門から中に入ることができなかった。





ダブルの部屋は、今日だけなら泊まれるが、


予約があって、連泊は無理とのこと。


ドミトリーなら、連泊は可能。


ドミトリーとは言え、テントで泊まることを考えると高い。


割引も2週間以上で、先払いでのみと言うし、


外で待たしている相方に相談に戻った。





とりあえず、週末でもあるし、


3連泊分だけ払って、その先のことは後から考えることにした。


ここのセキュリティを見た後では、


先ほどのバックパッカーズの庭にテントを張る気にはなれなかった。





「ここから歩いて5分ほど行った先にもう一つドミトリー用のがあるので、


そちらに行ってもらえますか。」





パンクしているっていうのに、こういうときはこういうことが重なるもんである。


部屋を見せてもらい、問題も無さそうなので決める。





スタッフに、自転車で今日何処から来たのか聞かれたので、


ワイパラと答えると、分からないとの答え。


ワイナリーがあって、ハンマースプリングスとカイコウラの分岐の、


と言っても分からないとのこと。


どれほどクライストチャーチにいるのかわからないが、


車移動で、ほとんど町にしかいないとなると、


60㎞先の町の名前も知らないものなのだろうか。





荷物を部屋に入れた後、早速裏庭でパンク修理。





どうやらパンクの原因は、タイヤの磨耗によるものらしかった。


日本を出る前に、既に後輪のタイヤがかなり来てるな、とは思ってはいたが、


機を見て、ニュージーランドに来てから交換しようと思っていて放置していた。





タイヤは、日本から2本持ってきていた。


パンクを修理して、タイヤを交換する。





ちなみに、ニュージーランドでは、18インチのタイヤやチューブは普通無い。


子供用であるだろう、と考えていたのだが、


置いてあるサイズは、14、16と来て、20に跳んでしまう。





わざわざ、相方のBD-1Cのリムのバルブ穴を電動ドリルで米式バルブが使えるように、


広げてきたのに徒労であった。





もし、ニュージーランドを18インチの自転車で周ろうなんて酔狂なのがいるのなら、


ちゃんとそこらのスペアは持ってきたほうがいいですよー。  





修理が終り、お腹も空いてきたので、


街の中心の方に、歩いて向かう。





相方が、まだフィッシュ&チップスを食べたことが無いから食べてみたい、


となんかの拍子に言うので、ほんじゃ、地球の歩き方に載っていたところに行ってみましょうか、


と出てきたわけだが、お休みであった。





それでは、もう一つ、地球の歩き方でもmixiでもその存在を知り、


行ってみたかった、ごはんと、味噌汁がお代わり自由という『大阪屋』に行こうか、


ということになったのだが、その地球の歩き方を宿に置いてきてしまったので場所が分からない。





仕方なく一度宿に戻り、今度はBD-1ででかける。





クライストチャーチ 大阪屋





大阪屋は、先ほど行ったエリアのすぐ近くであった。





食事を終わると、オーナーさんに話しかけられた。


なんでも、近々スポーツ自転車を買うつもりなんだそうだ。





大阪屋に来た理由は、もちろん食事もあったが、


そこにあるという掲示板を見るためでもあった。





別にクライストチャーチでなくても良いのだが、


銀行口座作成や年末年始のことなどもあるので、


どこかで少し長期滞在をしようと考えていた。


そこで、フラットなんかの情報を見ようと思ったわけである。





家賃の期間が書いてないが、


どっかで読んだあやふやな記憶からと、


値段から考えると一週間単位の値段のようだ。





高いところでも、二人で$160くらいのようだ。


一人で考えると、$80。


日割りで考えるとテント宿泊より安い。





ただ問題は、自分達の考えている滞在期間が一ヶ月強と短いこと。


そんな短期間で入れるところなんて少なそうだ。





しかし、理由は分からないが一つだけ、


11月末から1月頭まで、との条件のものがあった。


普通と違い、その条件は、うちらの条件に合致していたので、だいぶ惹かれた。





だが、自分としては、まだクライストチャーチに滞在すると決めたわけではなかった。





まだ、クリスマスまで日にちはあるし、


もっと南下して、もうちょっと鄙びたところでのんびり年越しするのもいいんじゃないか。


漸く体が出来上がってきたところで、長期滞在して、


また体を鈍らせるのが少し惜しくない?


まだ、着いたばかりで結論を出すのは早いと思うよ。


明日も明後日もあるんだし、それからでも良いじゃないか。





そんなこんなで相方を丸め込んで、宿に戻った。





翌日は、市内観光。


また、大阪屋に行き、今度は食事をせずに、


掲示板から、昨日のフラット募集の電話番号などをメモするだけで出る。


昼食は、牛丼屋。


まあ、二度はいいかなってかんじ。


大聖堂など市内をぷらぷらして、


無料のバスに乗って、パックンセーブまで買い物して宿に戻る。





相方が、先ほどメモったフラット募集の連絡先に電話したが、


つっけんどんな言い方で決まったということを言われたとのこと。


そんな言い方するなら、全部紙張ったところの剥がしてきゃいいのに。





そんな話がでたついでに、


まー、これは、主観の問題だが、


『K』の別館のスタッフの対応は、非常に冷たく感じられた。


日本人だからなのか、とも思うが、


今までのバックパッカーズのキウイスタッフのフレンドリーさ


��たまにそうじゃないのもいたけど)から言えば、


歓迎されてないんじゃないかと思ってしまうほどである。


それに日本人だらけの宿という環境も我々二人の目には奇異に感じられた。


もっともこれは、一人旅をしていて、たまにこういうところに泊まると、


ほっとするという感覚はわかるし、すぐに慣れてしまったけれど。





同室の日本人男性と親しくなり、


クライストチャーチ近郊にもパウアがいるらしいという話をすると、


一緒に探しに行ってみようということになって、


彼の車で明日でかけることになった。





明朝、宿から一番近い海岸まででた僕らは、


磯場を探しながら、海岸に沿って南下する。





なかなかそれらしいところが見つからない。


そもそも、"近郊"がどこら辺までを指すのかわからないんだから、


どうしようもない。





リトルトンに向かう途中、交通規制をしていた。


工事か何かだと思ったら、映画かドラマの撮影。


確かになかなかの景観。


ご存知だろうが、『ロード・オブ・ザ・リング』を始め、


数々の映画のロケが、ニュージーランドで行われている。


いつかこの景色を、何かの映画のシーンで見ることがあるのだろうか。





クライストチャーチ リトルトンへ





さて、パウア探しは、結局空振り。


リトルトンから、湾を挟んで向こう側の、


ゴールデンハーバーの辺りまで行ったのだが、無駄足だった。





宿まで戻り、それから僕と相方は、


遅い昼食を摂りに、大阪屋に再び足を運んだ。





食事前に、掲示板を眺めていると、


オーナーさんにまた話しかけられた。





実は、大阪屋でもフラットを経営されているのだが、


最低賃貸日数が合わないだろうと、諦めていた。


なので、フラットを探している旨の話は既にオーナーさんにしていたのだが、


大阪屋のフラットに関しては聞いていなかった。


とりあえず、前の話がダメになったので、


ダメ元で、ちょっと聞いてみようか、と僕らは店に来る前に話していた。





フラットの空きを問うと、一部屋空いていて、たまたま今日一人見学に連れて行くとのこと。


最低日数は、逆にどれくらい居たいのか問われ、


一ヵ月半と答えると、本当は、二ヶ月からなんだけど、と一拍考えて、


それでも良いとの答え。


自分らがまだ、フラットを借りるのか悩んでいるとも伝えると、


今夕5時に、見学に行くので、


見に行く気があったら、5時にまた来てください、と言われた。





食事を終え、町をうろつきながら考えた。


これも何かの縁だし、


前の人が決めてしまったら、うちらは借りられなくなる。


前の人が決めずに、うちらが良いなら、借りてしまおう。





五時きっかりに大阪屋の前で待っていたが、


一向にオーナーさんは現れなかった。


もしかしてもう行ってしまったのかもね、と話していると、


暫くしてオーナーさんが戻ってきた。


2~3人と一緒のところを見ると、


どうやら見学に行って来てしまったらしい。


オーナーさんに声をかけると果たしてそうだった。





「見に行きます?」





前の人は、保留したそうで、


行ってきたばかりだというのに、


オーナーさんは、フラットまで僕らを連れて行ってくれた。





フラットは、中心から車で10分くらいのところにある、古い家だった。


でも、部屋自体は広かった。


庭も広いし、僕らがいる間に熟さないだろうが、果樹も結構あった。


かわいい猫も遊びに来る。


しかし、手が回らないそうで、庭は草ぼうぼう。


あらが無いかと言えば嘘だけど、


僕らにとってはどれも許容範囲内だった。


何より契約面で融通してくれると仰ってくれている。





僕らは、ここに暫く滞在することに決めた。


大阪屋に戻り、手付けを払って契約を交わす。





早速明日から入りたい旨伝えると、


宿まで迎えに来てくれると仰ってくれたが、


うちらの荷物量からすると、結構面倒な作業になってしまうので、


大した距離でもないし、自走で行きます、とお断りした。





翌朝、『K』を出た僕らは、約束の時間より少し早めにフラットに着いてしまったので、


猫と遊んでオーナーさんを待っていた。





約束の時間きっかりにオーナーさんは現れた。


そして鍵を渡してもらい、


僕らのクライストチャーチでのフラット生活が始まったのであった。





コメント

  1. 高田君
    お手紙ありがとう!
    凄い行動力!
    1日1日を大切にー!!
    帰国したら連絡すれ。

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  2. 手紙ありがとうございます!
    今日の東京は気温20度近いです。
    あー、異常気象。。
    スキー場には雪もないし、
    日本もすっかり南国化です。。
    ニュージーランドにも負けていません。
    そんなことより大変です。
    ヤトーさんが管理しているあのサイトが。。
    もうどうにも止まりません。。。

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